体育事故の多くは「突然死」 急がれる安全対策

■12年間で重度障害が残る事故件数は590件

 日本スポーツ振興センターの統計によると、1998(平成10)年度から2009(同21)年度までの12年間で、学校管理下において死亡または重度障害が残る事故が合計590件(死亡事故470件、重度障害120件)発生していることがわかりました。これを学校種ごとに学年別の割合で見ると、小学6年生、中学2年生、高校1年生で事故発生率が高くなっており、これらの学年が要注意ということがわかります。事故が起きた活動で最も多いのは、小学校が「体育の授業」で60.0%、中学校と高校が「部活動」で各58.0%、61.1%でした。

 

■死亡事故の多くは突然死

 死亡や障害の原因を見ると、小学校は計60件のうち「突然死等」35件、「溺水(できすい)」(溺れて窒息すること)が18件などで、プールの授業で主に発生しています。また、中学校と高校では体育授業中の事故計212件のうち、80.7%に当たる171件が「突然死」でした。
このことから、小学校の死亡事故、中学校と高校体育の授業中の死亡事故の多くが、心臓疾患などに起因する突然死によるものだと言えます。

 

■安全教育の必要性

 このため報告書には、子どもの健康診断の結果をきちんと教員が把握して、子どもの健康観察をすること、子ども自身が体調管理をするなど、自ら判断して身を守る力を育成する安全教育を行うことのほか、教員が人工呼吸や自動体外式除細動器(AED)の操作ができるようにしておくことなども安全教育の一環として挙げられています。

 

 

2013年6月18日 YAHOOニュースベネッセ教育情報サイト抜粋