溺水
日時:2001年8月12日 4:00pm頃
場所:京都市右京区JR保津峡駅下
救助者:谷 哲也さん(MFAプロバイダー)
MFA受講日:2000年4月2日
出来事:
ラフティング・カンパニー「ビッグスマイル」のラフティング・トリップがJR保津峡駅下でゴールする頃、パトカーのサイレンが聞こえ何ごとか起こったことを知った。JR保津峡駅下まで来ると別のラフティング・カンパニー「アースグラフィティ」のスタッフから溺れた人が下流に流されたと報告を受け、ボートの出動要請を受けた。
救助者がとった行動:
我々はとりあえず、ボート1艇を川岸まで持っていき待機、「アースグラフィティ」の一人が警察からの指示を仰ぐため、また、状況把握の為、待機している間に、対岸で溺水者が引き上げられました。対岸へ行ってみると、遊泳中の外国人数名が初期の救命活動を行っていましたが、CPRを引き継ぎました。溺水者は意識、呼吸なし、多量の嘔吐あり、脈拍の有無は未確認。救急隊が到着したので引き継ぎました。
救助者の感想:
溺水者はかなりのアルコールを摂取していたようで、それが溺水の原因と思われます。私がサイレン音で異変を感じた頃、周囲を観察したが、事故発生に全く気づかず多くの人が何ごともないように遊泳していた。私が現場に到着したとき実際に救命活動をしていたのは遊泳中の外国人数名だけで、日本人はそれを遠くから眺めているだけだった。溺水者の友人らしき1名はすぐそばで半狂乱の状態であった。日本人と外国人の危機管理意識の差を見せつけられた気がした。
人工呼吸のバリアを使おうと思ったが見当たらなかった。後で調べてみると、ちゃんとファーストエイドキットの中に入っていた。緊急時に落ち着きを失っていたようで、反省すべき点である。
事故発生から通報、通報から発見、救命活動まで、かなりの時間がたっていたようだ。事故発生時に即座に何かの行動を起こしていれば、もしかしたらという気がしないでもない。残念だ。